【児童書紹介】ボイジャーズ８（１）8人の最終候補

ボイジャーズ８（１）8人の最終候補

小学校5年生の息子のために「何か言いのないかなぁ～」と図書館のブラブラしていて見つけました。息子に「どう？」と聞いてみると「うん，読む」とのこと。表紙の挿絵が今どきのアニメ風ということもあり，興味が湧いたようです。僕もそうでしたが，小学生や中学生の頃って，挿絵から受けるものって大きいですよね。ということで，2巻目も一緒に借りて帰りました。

帰ってから早速，息子は読み始め一気読み。2巻目もあっという間に読んでしまいました。「面白かった？」と聞いてみると「面白かった」ということで楽しめたようです。良かった良かった。

僕ももちろん読んでみました。うむ，最初から興味が湧きそうな書き出しで惹きつけられました。そして・・・！一気読みです。2時間もかからなかったかも知れませんね。これはおススメです。対象は小学校高学年から。現在は2巻まで刊行されているようですが，今後の慣行が待ち遠しいですね。期待しています。

さて，褒めるばかりではなく少し辛口のコメントをします。まずもう少し途中で挿絵が欲しかったかなと思いました。この小説はSFということがあり，非日常的なところが随所にあります。このため例えば服装の説明があっても，日ごろ見るものではない服装を説明しているため，なかなかパッとイメージすることができません。こんな時に挿絵があると非常にイメージの手助けになるのにな，と思いました。例えば，お世話係ロボット・スチーム6000の以下の記述です。

背の高さは1メートル弱。手足が2本ずつあり，横長の顔に，目のようなレンズが2つついている。プラスチック製の胴体や手足は白だが，関節部は黒と銀色で，内部からもれる光に青白く照らされている。

背の高さは分かるものの，手足の長さや太さは不明。関節部は黒と銀色ってあるけれど，どんな風に色が塗られているのか，良くわからない。もう少し詳しく説明が欲しいところだけど，あまり長くなっても，というところもあるのでしょう。でもこんな時に挿絵が1枚あるだけですぐにイメージが掴めるのになぁ。

もう1つ。これはどうしようもないところですが，外国小説の翻訳ということで，中心となる登場人物8人のうち，7人はカタカナ名です（1人は日本人）。このため，なかなか名前が覚えられない（笑）。最初のページにある自分紹介があるものの，途中で名前が出るたびに，この人物紹介ページに戻らないと「あれ誰のことだっけ？」となってしまう。こればっかりは覚えるしかないので，どうしようもないですが・・・海外小説で登場人物がいきなり多く出てくるときは，いつも困ります（笑）。

さてこの小説の原作は，『Voyagers: Project Alpha』D. J. MacHale です。全部で6巻まで刊行されていて完結しているようです。3巻目以降は著者が巻ごとに変わっていますね。日本語訳2巻の最後に，3巻は2017年12月発売とありましたが，まだ刊行されていません。この辺が何か影響しているのでしょうか？　それはそれとして，日本語版もおそらく6巻まででしょう。息子も楽しみにしているので早く続刊が出ないかな！

(Story)　※第1巻より