ビッグディール(Big Deal,電子ジャーナルの包括契約)とは

 

ビッグディール(Big Deal)とは,電子ジャーナルの契約形態の一つを指す言葉で,包括契約,パッケージ契約,一括契約,抱き合わせ販売などとも呼ばれる。この“Big Deal”という言葉を電子ジャーナルの契約形態として初めて使用したのは,ウィスコンシン大学の図書館長 Kenneth Frazier (*1) で,その後,電子ジャーナルの包括契約を指す一般的な用語として使用されるようになった。

 

ビッグディールは,図書館がそれまで(ビッグディール契約開始時点)の契約金額を基準として,これに非購読誌のためにわずかな金額を加えたアクセス料を支払うことで,その出版者が提供する電子ジャーナルタイトルすべて(あるいは大部分)にアクセスする権利を得ることができる契約形態である。例えば,年間3,000万円で100誌を購読していた図書館が,ビッグディールを契約することで年間3,500万円で2,500誌(100誌の購読契約+その出版社が提供する残り2,400誌へのアクセス権 (*2) )が利用できるようになる,ということである。これにより図書館は,利用者に提供できる電子ジャーナルタイトルを飛躍的に増やすことができるため,2000年以降はこの契約形態が主流になった。 (*3)

 

以上のような契約形態のため,小規模の大学(購読誌のタイトル数が少ない大学)ほどビッグディールにより受ける恩恵が大きい。わずかな金額を上乗せすることで,大規模図書館と同等の雑誌タイトル数を利用できるようになるからである。 (*4)

 

しかし,ビッグディールによって飛躍的に利用可能タイトルを増やすことができる反面で,この契約形態には問題点がある。それは次のエントリーで解説する。

 

 

(References)

  1. Kenneth Frazier, The Librarians’ Dilemma: Contemplating the Costs of the “Big Deal”, D-Lib Magazine, Vol.7(3), 2001
  2. ビッグディール契約を解除すると,原則,アクセス権で利用していた2,400誌は一斉に利用できなくなるが,出版社によっては,ビッグディール契約期間中の巻号のみ,購読誌と同等の扱いで契約解除後も利用可能なことがある。
  3. 尾城孝一, ビッグディールは大学にとって最適な契約モデルか?, SPARC Japan NewsLetter, No.5, 2010.
  4. ビッグディールの契約内容の具体的解説については,3の論文が詳しい。

 

(Related Blog Entry)

ビッグディールの問題点

 

Last Update:2018/05/27

 

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